マンション管理士とはマンションの維持管理に関して主にコンサルティング業務を行う専門家として認められる国家資格で、宅建士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士と並び、不動産4大資格と呼ばれています。
不動産関連の資格を取ろうと考えてる中で、以下のように疑問を持つ方は少なくないでしょう。
- マンション管理士の資格取得は、どれくらい難しいの?
- マンション管理士に合格するためには、どれくらい勉強すればいいの?
そこで今回は、マンション管理士の難易度について他の不動産関連資格とも比較しながら解説していきます。
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マンション管理士試験の難易度・偏差値は?
まずは、マンション管理士の難易度や偏差値を確認します。
マンション管理士試験の偏差値
マンション管理士試験の偏差値は60〜64といわれています。
偏差値が近い資格として、社会保険労務士(社労士)・行政書士があります。
一般的に偏差値60を超える資格は、難関資格といわれているため、偏差値60弱のマンション管理士は難関資格と分類される資格です。
不動産業関連の資格について偏差値を比較します。
資格名 | 偏差値 |
マンション管理士 | 62 |
宅建士 | 57 |
管理業務主任者 | 55 |
賃貸不動産経営管理士 | 50 |
マンション管理士は不動産関連の資格の中では偏差値が高いことが分かります。
参考に、他の国家資格で高難易度といわれている弁護士・公認会計士・医師などがあり、これらの偏差値は75程度とされています。
※資格試験の偏差値は決まったものではなく、算出方法もさまざまです。相対的な比較値としてご参考ください。
マンション管理士試験の合格率
さまざまな切り口で、マンション管理士試験の合格率を確認します。
年度ごとの受験者数と合格率
ここ数年のマンション管理士試験の合格率は、8〜10%となっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成29年度 | 13.037人 | 1.168人 | 9.0% |
平成30年度 | 12.389人 | 975人 | 7.9% |
令和元年 | 12.021人 | 991人 | 8.2% |
令和2年度 | 12.198人 | 1.045人 | 8.6% |
令和3年度 | 12.520人 | 1.238人 | 9.9% |
令和4年度 | 12.909人 | 1.402人 | 11.5% |
6年間の結果を確認すると、合格率は令和3年と令和4年に2年連続で上昇していることが分かります。
受験者は男性が約87%に比べ、女性は約13%とかなり少ないですが、合格率は女性が10.1%、男性が9.9%と女性がわずかに上回ります。
マンション管理士は性別を問わずチャレンジできる資格です。
年代別の受験者数と合格率
令和4年度試験について、年代別に受験者数と合格率を比率すると以下のようになります。
年齢 | 受験者数 | 合格率 |
20代以下 | 964人 | 10.5% |
30代 | 1858人 | 14.5% |
40代 | 2818人 | 13.5% |
50代 | 3504人 | 11.4% |
60代以上 | 3065人 | 8.3% |
マンション管理士試験の受験者は他の国家資格に比べると年齢層は高めです。
40代以上の方が半数以上を占めており、年を重ねてからもできるマンション管理士という仕事を目指す人が増えていることが分かります。
生涯現役で働けることからも定年後に独立したい、年金だけでは不安と考える中高年層に人気がある資格のため、将来に向けての準備に人気の資格です。
また、年代別の合格率は30代〜40代の受験者がもっとも高い傾向にありました。
現在でもマンションは増え続けていることから、マンション管理士は一人あたりの仕事の増加が期待できるため今後活躍できるチャンスがある資格です。
30代~40代はキャリアの分岐点となるタイミングである場合も多いため、将来の選択肢を増やすために集中して取り組んでいる人が一定数いることが予想されます。
マンション管理士試験の難易度が高い理由
マンション管理士試験の難易度が高い理由としては、以下のような項目が挙げられます。
受験資格に制限がない
マンション管理士は、受験資格に制限がない国家資格のひとつです。ハードルも低く誰でも受験できるため、受験者が増加し合格率が低くなっている可能性があります。
そのため、興味本位で挑戦する方も多くないでしょう。このような人はまともに勉強をしていない状態で受験して不合格になってしまい合格率を下げている要因になっていると考えられます。
出題範囲が広い
マンションの構造、設備などに関する問題だけでなく、不動産関連の法令・会計実務などからも出題されます。マンション管理士試験では、非常に深い専門知識を必要とされるため基本的知識だけではなく、しっかりとした受験対策が必要です。
法律問題が多い
マンション管理士試験は、区別所有法・民法・借地借家法・被災マンション法・不動産登記法といった法律問題が多く出題されます。また、難解な法律用語が多く複雑な知識を理解しなければならないので、法律問題を勉強したことがない方が士業試験のために勉強を始めるのは困難を極めることになるでしょう。
マンション管理士試験の試験対策
難易度の高いマンション管理士試験に合格するために、どのような試験対策を行えばいいのでしょうか?
マンション管理士試験の合格には500時間が目安
マンション管理士試験に合格するのに必要な勉強時間は、500時間程度といわれています。
これは同じ不動産関連の資格の宅建や管理業務主任者に比べて、多いと言われています。
他の不動産関連の資格を取得済みであったり、知識があったりする方であれば勉強時間の目安はかわってきます。
独学で初学者の人は500〜700時間程度は必要と考えておいたほうがいいでしょう。
年に1回の試験なので、500時間の勉強時間を確保するには、1日2時間を確保するとすれば、500÷2で250日=9ヶ月かからないという計算になり、余裕をもって試験を受けることができます。
1週間に勉強時間を14時間確保すればいいため、平日の仕事の日は1時間。週に2日休みと過程した場合には休日に4〜5時間勉強すると無理なくこなせるでしょう。
しかし、実際には中高年層の受験者が多いことから、家族サービスや家の都合などで勉強時間を確保するのが難しい場合もあります。
その場合には、以下の記事のように効率のいい勉強法を確認し、取り組んでいくといいでしょう。
マンション管理士試験の概要
マンション管理士試験は年に1回11月の末頃に実施され2時間で全50問の4肢択1をマークシートで回答する形式です。
マンション管理士試験の出題範囲は、3つに分かれます。
法令系の出題
区別所有法はマンション法ともいわれ、マンション管理士試験においては最も重要度が高く、標準管理規約等の他の項目にも関連してきますので、しっかりとした対策が必要になります。そのためには、民法の基礎的知識が必須となるでしょう。
また、マンション管理適正化法については、出題傾向は難しくないのでしっかりと基礎を身につけ、過去問に取り組むといいです。
会計・管理実務の出題
簿記になじみがない方だと、苦手意識があるので過去問を入念に解いて、会計系の問題は対策するといいです。マンションの管理委託契約についての標準的な契約指針と策定された標準管理委託契約書は、内容はさほど難しくないため条文等の知識をしっかりと覚えれば、対応できるでしょう。
設備系の出題
マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関することについて、範囲が広く、細かな知識まで問われることが多いです。そのため、基礎知識と過去問の問題はしっかりとおさえたうえで、細かい知識をできるだけ多く覚えることが大事です。
まとめ
マンション管理士の合格率は約10%と低く、同じ不動産業資格と比べると難易度が高い資格となります。
偏差値62と難関資格に分類され、マンション管理士試験は出題範囲が広いため勉強時間を確保して、計画的に試験対策をすることが大事です。
マンション管理士は、受験者の年齢層も幅広く、合格率も男女の差がないことから、資格を取得するのにタイミングや年齢・性別を問わずチャレンジできるといえます。
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